僕らがキューバから学べることとはなんだろう。
昨晩は北海道石狩で有機農業を営む小林卓也さんという方の出演されたキューバの有機農業のDVD上映会と
御本人をお招きした座談会へ行って参りました。ソ連が崩壊し、経済的な援助や石油の輸入を絶たれたキューバの選んだ道を
短い時間ではありましたが少しだけ知ることができました。自給率40パーセント、(日本は39パーセント)
さらにエネルギー資源もフランスや日本と同様に縁の無い国であるこのキューバが如何にしてこの危機を乗り越えたのか。
それは実にシンプルで、深く頷ける自然の営みに基づいた素晴らしい方法でした。
農薬や化学肥料で痩せた土地を再生させるために政府は科学者による研究を積極的に取り入れ、
農業を始める人達への支援もあらゆる角度から行いました。廃棄生産物は家畜飼料やバイオマス発電や堆肥として利用され、
堆肥作りにはミミズコンポストを採用することで、通常の土と比べて5倍くらいの成果を上げられるそうです。
都市農業を見事に実現させた「オルガノポニコ」(むちゃんこ大きいプランターみたいなものです)という技術も
素晴らしいものがありました。それは学校に校庭と同じくらいの広さで作られ、子供達は農業を授業で習い、
収穫された野菜達のことを肌で学び、そして美味しく頂いておりました。素晴らしいです。笑顔です。
それから、野菜に付く油虫と向日葵に付く油虫は違うらしいです。しかしテントウ虫はどちらの油虫も食べるので、向日葵を
野菜の近くに植えることでテントウ虫を誘い、ついでに野菜の油虫も頂いてもらおうという皆満足作戦が行われているのにも
感動した。他にも虫を寄せつけない為のニームという強烈な防虫剤や一緒にハーブを植えることで防虫しつつ、ハーブそのものも
カクテルなどで頻繁に使われるのだそうです。う〜ん。益々無駄が無い。皆満足作戦といえば、農家さん達は皆、直売所を
設けていてそこに直接立ち、作り手から新鮮な作物を安心と共に渡しているのだそうです。さらに満足ですね。
さてさてそんなわけで、
改めて、僕らがキューバから学べることとはなんだろう。
まず明らかに気候は違うし、政府の体制も違う。キューバ人は贅沢はできない。さて日本人はどうだろう。
完全に物質や貨幣に依存し、自給自足から遠ざかっている日本が、仮にエネルギーや輸入の危機に陥ったとするならば、
どう対処していくのだろう。皆に国という親の子供になる覚悟が果たしてあるだろうか。
僕らが何よりも視ておきたいのは「システムが変わった時に備える」という準備段階であるように思いました。
変わる時はきっと来るからこそ、変わった時に変わったと感じないくらいに、変わりましょう。なんのこっちゃ。
今日の一言
「上に立つ者が下の責任を問うことは、同時に上の責任であることを忘れてはいけない。」
合掌